スティーブ・ジョブズも実践していた禅!シリコンバレーで活動する曹洞宗僧侶、森香有さんインタビュー!

最終更新: 2月10日


森香有
曹洞宗僧侶。1986年東京都世田谷区生まれ。駒沢大学卒業後、僧侶の道に進み、現在アメリカ・シリコンバレーにて活動中。クンダリーニヨガ講師、シータヒーラーでもある。
Mail:koyu_osawa@yahoo.co.jp

取材・文・編集・デザイン:今井みさこ


今井みさこ:今回は曹洞宗の僧侶であり、クンダリーニヨガやシータヒーリングも行っている森香有さんに心と身体の健康、ベターライフのために心がけていることをお伺いしたいと思います。わたし自身、僧侶の方と知り合いになるのは初めてでお話を伺えるのがとても嬉しいです。

まず、僧侶になったきっかけを教えて下さい。


森香有:まず、仏教に興味を持ったきっかけが2つあります。

1つは、高校で仏教の授業があったことです。仏教というものがわたしの近くにありました。大学の進路を選択するとき、心理学部か仏教学部に行くか悩んで仏教学部に進学することに決めました。仏教は哲学のように先人たちの叡智の積み重ねがあり、面白いと思ったのです。


2つめは、善悪の基準判断を教えてくれたことです。高校時代、家族と離れて祖母の家に暮らしており、祖母が放任主義的なところがあって、高校生のときから門限もなく自由に遊び回っていました。自由すぎる環境の中、自分で判断しなくてはいけない時に、仏教の教えがとても助けになっていました。例えば、深夜過ぎの渋谷で、朝までいるか、終電で帰るか、、といった感じです。笑


大学生になっても遊んでいるのが楽しくて、ひたすら自由な環境の中、楽しさを追い求めていました。ですが、いざ卒業が迫ってきたときに、友人との待ち合わせ時間も守れていなかった自分自身に対し、社会人になる不安を覚えました。そこで、ゼミの先生に出家を考えていることを伝えると「お前が出家なんて100年早い」と言われちゃって。その後紆余曲折あり、愛知県にある女性専用の修行道場に3ヶ月の体験に行きました。道場に入る前は「仏教のことをもっと深く理解できるようになる」と期待していたのですが、3ヶ月経ったら仏教のことがもっとわからなくなったんです。

そして仏教をもっと知りたいとハマってしまって、きちんと修行することにしました。これが出家のきっかけです。

今井みさこ:修行道場で過ごす過程で自分が変わっていく感覚はありましたか?


森香有:ありました。もっと仏教を知りたいという意欲がどんどん増していきました。


今井みさこ:修行道場と大学の授業では違いはありますか?


森香有:そうですね、修行道場では勉強の時間はあまりなく、他の修行僧と同じ生活をして、一つ一つのことを丁寧に勤めていくことがメインです。朝から晩まで休む間もなく、お経を読んだり、坐禅をしたり、掃除をしたりします。また、禅についての話を聞く時間もありましたが、そのお話がすごく難しいんです。

禅宗はどこまで自分を深めていているか、経験や歴が重宝されるので学歴はそこまで重要ではありません。わたしは仏教学部を卒業していたので、知識は多少ありましたが、ほとんど役に立ちませんでした。


今井みさこ:女性の僧侶は少ないですか?出家は俗世から離れてというイメージが強くて、子育てしながらできる仕事ということに驚きました。


森香有:お坊さんは男性が昔から多く、曹洞宗の場合、女性は全体の3%弱と、非常に少ない、ある意味絶滅危惧種です。笑

明治5年に僧侶の肉食妻帯が許可されたこときっかけに、お坊さんは公に結婚して良いことになりました。だいたい近所のお寺の住職さんは、前の住職さんの息子さんだったりしますよね。もちろんそうでない場合もありますが、男女関係なく、結婚、子育てをするお坊さんは多いです。私もその一人ということですね。


今井みさこ:僧侶という仕事の内容を教えて下さい。


森香有:基本的に僧侶というものは、皆さんが想像するように、お寺にいて、法話や坐禅、檀家さんの法事やお葬式を行うというのが、一般的かと思います。ですが、お寺の生まれではない私は、少し変わった経歴かもしれません。修行を終えた後は、曹洞宗総合研究センターという仏教や布教教化の勉強が出来る機関に3年、その後、曹洞宗宗務庁といういわゆる会社で言うとことの本社的なところで2年勤め、サラリーマンのような僧侶生活を送ってきました。その間も、近くの修行道場に住ませていただいていたので、「サラリーマン修行中」って感じでした。笑 その後は、自分で何か出来ないかと考えて坐禅会を主催したり、クンダリーニヨガのインストラクターにもなり、ヨガティーチャーとしても活動を始めたり、気づいたらヒーリングもできるようになってしまったので、ヒーリングも定期的に行うようになっていました。また、僧侶としては、フリーランス形式で呼ばれればどこにでも行くようスタイルで活動しておりました。法要、お葬式以外にも、引っ越しの際の祈祷や除霊も頼まれたことがありました。

2019年からは、本格的に渡米し、曹洞宗国際センターという機関で働いています。

コロナの影響で、現在坐禅やヨガはオンラインのみのクラスしか行っておりませんが、ヒーリングは、ご縁があった方にさせていただいております。


今井みさこ:アメリカでチャレンジしようと思ったきっかけは?


森香有若いころから海外に行きたいという気持ちがありました。また、欧米のお坊さんと話をしたりしているうちに、彼らが非常に積極的に布教活動を行っていること、日本の伝統を受け継ぎ継承していきたいと思っていることを知り、自分に何か手伝えることがあるのではないかと思い、海外に行くという決断をしました。


今井みさこ:実際海外で活動をはじめて感じていることはありますか?


森香有わたしは海外のお坊さんが持つ、禅や仏教、修行に対してのパッションに共感しているんです。海外でお坊さんになろうとすると日本で修行を積む必要があり、ハードルが高いんです。そのハードルを超えるほどの情熱が素晴らしいと思います。


今井みさこ: アメリカでの仏教について教えて下さい。


森香有:1960年代、全米で禅がブームになります。曹洞宗では、鈴木俊隆さんという方が特に有名で、彼らの布教により禅がアメリカ全土に広まりました。その後、アメリカにはたくさんの禅センターと弟子が育ち、現在は第3世代まできています。

アメリカにおける仏教の特徴として、自分たちで開拓して新しいものを作っていく風土がある点があげられます。そのいい例がサンフランシスコの禅センターです。数百人規模の人たちで自分たちでルールを作って日本より厳しい修行をしていたりするんです。

そうなってくると日本の曹洞宗とアメリカの曹洞宗グループの間で乖離がうまれてきてしまうので、わたしみたいな日本から派遣されているお坊さんが調整をしています。

今は、アメリカの人たちが禅にどういうところに興味があるのか、生活に禅をどのように取り入れているのかなど知ることを大切にしています。


今井みさこ:ベイエリアだとスティーブ・ジョブズが禅を生活に取り入れていたこともあって、禅に興味がある人は多いのではないでしょうか。


森香有:そうですね。スティーブ・ジョブズが亡くなられた後、日本でもアメリカでも禅への注目度が上がっている実感があります。そのニュースがでた直後は日本で行っていた坐禅会で一気に申し込み人数が増えました。



今井みさこ:仏教のおもしろさはなんですか?わたしは、今回インタビューするにあたって初めて仏教の書籍を読んでみたのですが、仏教って哲学なんだという気づきがありました。神様みたいな概念ってもともとはでてこないんですね。自分とどうやって向き合っていくかを大切にしているんだ、おもしろいなと思いました。


森香有仏教が説いているのは真実、真理、本質なんです。結局、なにかを極めていったら仏教に繋がっていきます。キリスト教もイスラム教も、真理を説いているという点においては合い通じるものがあると思います。今のところ、仏教を学んできた中で矛盾を感じることがなかったり、自分の気づきが深まる楽しさがあるので続けられているのかもしれません。こればかりは言葉で伝えきれませんが、仏教の奥深い智慧や禅で得られる気づき。気づけばこんなことを10年以上もやっていますが、これらを学ぶことに飽きるどころか、まだまだこれから!という気持ち。出会えたこと自体に喜びを感じています。


今井みさこ:過去のひとびとが、世の中の現象を理解して説明しようと試みてきた、叡智の積み重ねが仏教ということですかね。議論の積み重ねだから納得感が深くて、わたしも今回勉強してみて、より興味がわきました。


森香有:最近おもしろいなと感じていることは、YouTubeや自己啓発本で【幸せになる方法】【心が楽になる方法】【人とうまく付き合う方法】などのHOW TOがたくさん紹介されていますね。これらはほとんど仏教で教えられていることなんですよ。いろんな人がいろんな形でわかりやすく伝えている、いい時代だなと思います。


禅宗の修行生活は、そういうHOW TOで紹介される教えのすべてが生活の中に取り入れられているんです。仏教には、歴史と叡智がつめこまれてる。しかし、それがあまり外に伝えられていない。たくさん本など出てはいますが、興味ある人しか読まないでしょうからね。例えば日本で修行体験をしようと思ったら、あまり本格的なものは体験できる機会が少ないです。本格的な修行を経験するためには出家して日常のすべてを修行にささげないといけない。一方ヨーロッパやアメリカでは、学びたいと思ったらすぐに修行ができる場所があったりします。誰でも修行体験ができて、土日は休みをもらいながら、日常生活を保ちながら修行ができる。そういったカジュアルさは、修行の深みは薄まってしまうかもしれないけれど、ある意味では多くの人に様々なきっかけを与えることができると思うんです。これは日本だとあり得ないことで、修行中に週末休みをもらえることはありません。いずれは、ヨーロッパやアメリカのスタイルを日本に取り入れる逆輸入みたいなことが起こることも考えられるかもしれませんね。


今井みさこ:それはおもしろいですね。わたしが日本にいたときに、仏教の教えに触れたことって一度もなかったように思います。お正月やお葬式のときに意識するくらいでした。身近な存在のはずなのに、どんな教えか知らなかったなんてもったいなかったな。


森香有:それはお寺とみさこさんの歩み寄りが必要なのかもしれません。お坊さんの法話を聞くことで、多くの人に教えを取り入れてもらえるといいですよね。しかし、そういった法話を頻繁に行っていたり、情報発信をしているお寺は多くないかもしれませんね。


ヨーロッパやアメリカだとアグレッシブに法話や禅を指導したりしていて、そこは日本と違いますね。


今井みさこ:わたしが法話を聞いたことがあるのは1回だけです。


森香有:どういったタイミングで聞かれたのですか?


今井みさこ:人生で悩んでいたときです(笑)25歳を前にして仕事や結婚でどうしたらいいんだろうと悩み、京都のお寺めぐりもしてました。


森香有:行ったことで変化はありましたか?


今井みさこ:そうですね。法話を聞いて、お守りを買ったりすることでちょっと気持ちが強くなれた気がしました。当時はもっと仏教を知りたいという気持ちまではならなかったけど、今改めて勉強をしてみて、興味がわいてきたのですが、今わたしはどうやって学べばいいでしょうか?


森香有:ベイエリアには禅センターがたくさんあるので、学べる機会がたくさんありますよ!ただ、アメリカでの仏教の歴史は100年ほどです。日本の仏教は538年に伝来してきて以来、日本の歴史とともにこれまで続いています。日本人であるというだけで、仏教の知識が知らず識らずのうちに入ってきているんです。例えば、お賽銭を入れてお辞儀をすることって当たり前に知っていることだけど、アメリカの人にはそこから説明をしないといけない。その前提知識の違いは大きいので、もし物足りなさを感じたら、日本人のお坊さんから学べる環境があるとなおよいですね。


仏教が他の宗教と異なる点は、答えを目に見える形で提示してくれないところです。理論は教えてくれるけど、真理に行き着くための道はたくさんあって、たどり着いたときに意味がわかるんです。

今井みさこ:なるほど。仏教を日常で取り入れたいなと思ったときにわたしにまずできることはありますか?


森香有:いいことをする、悪いことをしないということですね。自分の中のブッダに聞いてみる、預けてみるのもいいですよ。


今井みさこ:自分の中のブッダに聞く?


森香有:仏教というのはブッダの教えではありますが、実はみんなの中にもその種はあるんです。これを仏教用語でいうと仏性というのですが、誰にでもブッダの心があるのです。もし迷ったときに、「ブッダだったらどうするかな?」と客観的に考えてみると、自ずと答えが出てくると思います。こんなことを日常で意識してみるといいと思います。


最近はノイズが多いですよね。集中しているのに、携帯がなったりしてしまって自分のちからを発揮しにくい時代になってきています。自分の平穏を保つ方法として、例えばわたしは、仏教や禅、クンダリーニヨガやシータヒーリングなどを実践しています。

自分の平穏を保つと、自分が生きているという感覚が得られるので、自分の人生を生きやすくなります。


今井みさこ:インターネットによって他者からの影響を受けやすい時代だからこそ、仏教って求められているのではないかと思いました。禅の時間って自分が自分である時間ってとても貴重ですよね。


森香有:そうですね。普段意識って外にでているじゃないですか。頭で考えてばかり。

そのエネルギーを一度自分に戻して、本来の自分のエネルギーを引き出せるようにします。それはいろんなかたちで現れます。例えば身体の不調がなおったり、思考がクリアになって新しいアイデアがでてくる、心の不安が軽減されるなどがあります。ぜひ禅を体験してほしいです。

禅を日常に取り入れることで、毎日ゴキゲンに過ごせるようになりますよ。

今井みさこ:いいですね!体験させてください。クンダリーニヨガとはなんですか?


森香有:クンダリーニヨガはストレッチなどのポーズを取ることよりも、エネルギーをシフトさせていくことに特化したヨガなんです。このヨガはエネルギーの状態を短時間で良い状態へ変えてくれる智慧が詰め込まれています。短ければ、3分で自分の状態を変えられる魅力があります。


今井みさこ:仏教とヨガってとても近いですよね。


森香有:そうなんです!そもそもインドのブッダが生きていた時代って仏教はないんです。

そのときに何をしていたかって、ヨガをしていたんです。ヨガも学んでいくと仏教につながってきます。


今井みさこ:そういえば、仏教の勉強をしていて、ヨガをやっている仏教の宗派があることを知りました。この時代においては、ヨガと仏教両方を修めることは相乗効果があるということですね。


森香有:そうなんですよ!そのことに気づいてくれて嬉しいです。

坐禅で集中できない人は、ヨガを10分やってから坐禅をすると集中できる。身体の状態を変えてから、坐禅をするってとても理にかなっていることです。わたしには坐禅とヨガ、両方必要なようです。

ヒーリングをやるようになったきっかけは、ヨガの先生がさりげなくクラスの中でヒーリングを教えていて、気づいたら私も学んでいたという感じです。一生懸命学んでいるうちに、ヒーリングができるようになりました。


今井みさこ:おもしろいですね。お坊さんでヨガの知識もあって、ヒーリングもできるというのは、色んな観点から人の声を聴くことができそうですね。


森香有:それはあるかもしれませんね。

この記事を読んでくれた方で、禅を体験してみたい、ヨガに興味がある、悩みがあってヒーリングして欲しいなどいろんなきっかけでわたしに連絡をしてくれたら嬉しいです。

日本にいる方でもぜひ。もしこの記事を読んでくれている人がどんなに辛い状況にいたとしても、状況は変えることができるので、あきらめないでほしいです。

辛いなと感じて、自分でスイッチを変えられないときは、わたしに連絡してみてください。何か助けになれるかもしれません。
今井みさこの編集後記
このインタビューの後に、初めてヒーリングを受けました。
内容はとても説明が難しいのですが、自分自身が無意識に感じていたことを言葉にしてもらったのだと思います。例えば、普段生活している中でのほんのわずかな違和感や恐怖感など、誰にも話したこともないようなことがらについて、どうして心がそのように感じるのか、何が影響しているのか、それを明らかにしてもらいました。その話を聴くと、悲しいわけでもないのに心が揺さぶられ、気づけば涙が出ていて、とても不思議な体験でした。ヒーリング後、それまで感じていた違和感などは軽減された気がします。
これが、わたしの魂の治療…ヒーリングなんですね!もし興味を持ったなら、ぜひ、森さんにコンタクトしてみてください!ZOOMなどの遠隔でもヒーリングを受けることが可能だそうです。


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